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社長コラム

「若かりし頃の父を知る」

2017年10月 1日掲載

「社長、こっち向いてくださーい!!はいチーズ!!」
 社員がスマホを使って私を撮影することがある。撮影した画像はスノーと言うアプリで加工して、私にプレゼントをしてくれるのだが...「まったく~人の顔で遊ぶなよ...」と怒りたくなる時もあるが、動物などに加工された画像はあまりに面白くて吹き出してしまう。
 お盆休みに実家に行った時のこと。新盆と言うこともあり、たくさんの人が実家に訪れてくださり、線香を手向けてくださった。新盆の準備で母は疲労困憊気味だったが、オードブルの他、たくさんの手料理を作っておもてなしをしてくれた。オードブルで天ぷらを頼んだと言うのに、母はそれとは別に自ら天ぷらを揚げていた。きっと自分の作った天ぷらを仏壇にお供えしたかったのだろう。母の優しさはきっと父に伝わったはずだ。
 部屋の隅に古いアルバムが置かれていたのを見つけた。きっとこの日のために、みんなに見てもらいたくて母が用意をしたのだろう。アルバムには、若かりし頃の父が写った写真が一
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枚、一枚キレイに貼られていた。20代前半と思われる父は、体格よりちょっとだけ大きめのスーツを着こなし、ヘアースタイルはポマードでガッチガッチに固められた七三分けと言ういでたちだ。椅子に深く腰掛け、カメラのレンズをキリッとした眼差して見つめる姿は、銀幕スターさながらだ。
 今から60年前、決して豊かな時代ではなかったが、父が仲間達と楽しい一時を過ごしている様子は写真から感じ取れた。デジタル画像は何枚でも撮影ができる上、気に入らない画像は簡単に削除することができて便利だが、フィルムカメラで撮影された写真には、どこか緊張感を感じる。父がその瞬間、何を思っていたのか心を読み取りたくなる。

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