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社長コラム

冬の風物詩

2017年2月 1日掲載

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 皆さん、冬の風物詩と言えば何を連想しますか?私は「焼き芋屋さん」を連想します。
 今から40年前の冬のある日のこと。いつものようにコタツでお菓子を食べながらテレビを見ていると、遠くから焼き芋屋さんが発する「ピー」という甲高い音が聞こえてきました。当時、リヤカーに専用の石釜を積んで焼き芋を売歩く姿は、冬の風物詩のひとつでした。この「ピー」と言う音を心待ちにしていた子供達は多かったことでしょう。慌てて音がする方向の窓を開けると、家の前の緩やかな上り坂を50代ぐらいのおじさんが、険しそうな表情でリヤカーを引っ張りながら、ゆっくりゆっくり上がって来ます。「お母さん、焼き芋屋さんが来たよ~!!」と告げると、母は必ず「あんたは耳が良いね~」と言って、100円玉を渡してくれました。100円玉を大事に握りしめ、全速力でリヤカーまで向かうと、そこには恰幅が良く、日焼けして真っ黒な顔をしたおじさんが立っています。農機具メーカー「クボタ」のロゴが入った帽子を深めに被り、ニコリともしないおじさんになかなか近づくことができません。恐る恐る「おじさん、焼き芋1つください...」と蚊の鳴くような声でお願いしたことを覚えています。「はいよ...」とそっけない返事と共に、新聞紙に包まれた焼き芋を受け取ると、汗で湿った100円玉をおじさんに渡し、逃げるように家に帰りました。そして、こたつの上で新聞紙を広げると、3本もの焼き芋が入っていました。「おじさん、たくさんサービスしてくれたんだ...」、おじさんの優しさが心に染みたことを覚えています。後におじさんは毎年10月になると秋田から出稼ぎに来ていたことを知り、家族と離れて頑張っているおじさんのことを心から応援したくなりました。

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